コンビニ運営ノウハウ

コンビニオーナーの人手不足対策法②

人材不足の悩みが少しでもなくなるように私の考えを書いていきます。

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コンビニオーナーの人手不足対策法①

人が育つ環境つくり

従業員も顧客であると考えて、集客を意識して職場環境を整えようという事を書きました。

環境改善を常に意識してお店の仕組みを作っていれば、働きたい人は必ず増えます。

正直待つしかありません。集客とはそういうものです。

そして、いざ採用になれば、あとは教育ですね。これも仕組みが必須となってきます。

ちなみにここでは育て方ノウハウではなく、考え方と環境の作り方です。実際の教育マニュアルは本部にごろごろ転がっているでしょうから、最大限利用しましょう。

マニュアルの重要性

マニュアルの重要性は、「教える側」のレベルのバラつきや漏れを防ぐ事が出来る事にもあったりします。「人に教えさせる」というのはとても難しい事です。教える側のレベルを均一にする為に有効に使いましょう。また、マニュアルは改定が必須です。明日マニュアルが変わってもいいのです。そうやって有用性の高いマニュアルを作りあげていきましょう。

店舗スタッフ指導の考え方

オーナーによって、教える事や教え方は様々あると思います。

ここでは、多店舗経営や他事業をする事を念頭においてますので、その視点で見ていきます。

全ての人を100点にするのは効率が悪い

スタッフが増えれば増える程、個々のレベルにはバラつきが出てきます。誰かに任せる事も出てくるでしょう。そんな時に、「80点」を取る事を意識していくと効率が良くなります。なんでもそうですが、80点より上の点数を取る為の労力や時間は、80点を取るよりかかります。頑張って100点を取るよりも、80点でひとまず辞めておきましょう。他にもやる事は山ほどあります。

100点満点の一人のスタッフを育成するより、数十人の80点のスタッフを抱えた方が圧倒的に収益は生み出せます。この考え方を意識しているかいないかでオーナーの将来の事業は大きく変わっていきます。

私のお店では、一番最初の研修は私か店長レベルの人間が担当しますが、2日目からは役職やアルバイトも関係なく、全員が教える体制をとっています。

研修の大まかな流れ

  1. お店の方向性やルールの説明→オーナーか店長が必ずやる
  2. スキル習得チェックシートの項目を埋めていく
  3. 項目ごとに教えた人は名前と日付を記入
  4. 自己採点し、習得したと思えばチェックしてもらう
  5. 最後に店長が確認して、習得したと判断したらチェックする
  6. 研修終了

誰が何を教えたか、何を教えてもらったかを共有する事で、教育の効率は大幅に上がります。また、スタッフも教える事でアウトプットが出来るため、相乗効果でお店のレベルは上がります。

こうした仕組みを作って回す事で、オーナーや店長が教育に専念せずとも、一定レベルのスタッフは育っていきます。

研修の見える化(スタッフ全員に分かるように)

先ほどの研修チェックリストと重なりますが、研修スタッフが今どれ位のレベルなのかと、そのスタッフはどう動けばいいのかを分かりやすくしておくと、スムーズに動いてくれます。

研修チェックリストと併せて、ワークスケジュールもきちんと作り込みます。

  1. ワークスケジュール→どの時間に何をすればいいのかをきちんとリスト化して、実施した人も分かるように名前を書く。
  2. 研修チェックリスト→研修内容を見える化し、何を誰がいつ教えたか、何が出来ないかを全員で共有する事で研修の「漏れ」を防ぐ。
  3. スキルチェックリスト→段階的にレベルアップ出来るように高度な仕事もリスト化していく。

この3つを使いこなせば、各スタッフのレベルは可視化されます。オーナーがいない時でもある程度は誰がどの仕事をやっているかは分かります。

進捗管理と、改訂は細かく行う

  • マニュアルが実態に合わない箇所は修正する
  • スタッフがきちんとやっているか進捗を適宜チェックする
  • 管理者である店長等がきちんと管理しているかをチェックする

仕組みを作る理由

なぜ仕組みを作る必要があるのか。

教育に仕組みが必要な理由は、人の資質や能力にはバラつきがある為です。

指導者の能力に依存してはいけません。

指導されるスタッフの資質にも依存してはいけません。

「誰でも教育が出来る仕組み」を作る事が何よりも大切なのです。

仕組みを回し続ける

研修の内容や、ワークスケジュール、研修チェックリストは本部にひな型があるのでそれほど難しい事ではないと思います。お店に合わせて少しいじれば立派なものが出来上がるはずです。

しかし、多くのオーナーは「自分が教えた方が早い」と思ってしまいます。

仕組みを作って回すのは面倒かもしれません。しかし、オーナーを含めた、「ヒト」に仕事をつけるのはナンセンスです。人は仕組みや機械のように動き続ける事は出来ません。ある時に必ず休んだり、面倒でサボってしまいます。そしてどこかのタイミングでまた人手不足に陥るのです。

人手が足りている時、お店が上手く回っていると感じる時こそ手を抜いてはいけません。

ベテランスタッフに依存するリスク

ベテランスタッフはとても頼りがいがあります。

なんでも任せたくなりますね。しかしそれも危険です。人に仕事をつけてはいけません。

急に生活環境が変わるかもしれない

明日急に辞めると言ってくるかもしれません。人が仕事を辞める、転職する理由は様々です。

  • 「実は不満を抱えていた」
  • 「今より好条件の仕事が見つかった」
  • 「家の都合で引っ越ししなくてはいけなくなった」
  • 「宝くじに当たって働く必要がなくなった」

最後のはネタですが、確率はゼロではありません。いつ何が起こるか分からないのです。

その時がいつ来てもいいように準備はしておかないといけません。

悪影響になる可能性

これはよくある話ですが、ベテランは仕事が出来る故にお店への影響度も上がっていきます。そして仕事をどんどんこなしていくスタッフは、感情的に仕事に取り組む傾向が強いと思います。これが悪い方向に向かうとお店の雰囲気は一気に崩壊します。

私があるお店を引き継いだ時、そのお店は慢性的な人手不足が続いていました。大きな国道沿いにあるお店は近隣に住宅もなく、募集を出しても全くといっていいほど応募は来ません。そんな中ある一人のスタッフがよく頑張ってくれて、自分のプライベートも顧みず本当に熱心に協力してくれていました。

「いつか来ますよ」

「私が頑張りますから」

と、店長を励まし続けながら支えてくれていました。

努力の甲斐もあってか、2年程たった頃、お店は改善に向かいました。応募が集まるようになり、シフト作成に困る事はいつしかなくなりました。

それからしばらくして店長は異変に気付きます。

「今月で辞めようと思います。」

「系列の他のお店に異動って可能なんでしょうか。」

というスタッフの申し出が出てしまいました。

原因をよく探ってみたところ、支え続けてくれていたベテランスタッフが入ったばかりのスタッフにきつく当たっている事がわかりました。かげ口、無視、嫌味など、陰で色々な事をしていたのです。

私が話を聞いたのですが、「そんなつもりはなかった」と言うだけで直接の原因は最後まで不明のまま終わりました。

そのスタッフには同じような事を2度としないよう約束をしてもらい、退職者を一人も出す事なく終わりましたが、その数年後にベテランスタッフは辞めていきました。

経験したことのあるオーナーは多いのではないでしょうか?

このような揉め事を起こさない方法は一つだけです。それは、

「スタッフ教育を辞めない事」

仕事が出来る人がこうした揉め事を起こすと、お店への悪影響は大変大きなものになります。それを防ぐには、同じ影響力がある人(仕事が出来る人)を育て続けて影響力を分散させる事が最も効果的です。

要は、全員同じレベルで仕事が出来れば、「ただ性格の悪いスタッフ」に成り下がるという事ですね。これだけであればお店への被害は小さく済むでしょう。

まとめ

人手不足が完全に解消する事はありません。どれだけ対策をしていても人手不足はやってきます。その時に、オーナーの経営への悪影響を最小限にする為にあらゆる準備をしておく事が大切です。

次々と優秀なスタッフを育成することがオーナーの経営基盤をより強固なものにしてくれます。

人手不足を解消する為にやるべき事
  • 人が集まる環境づくり(=従業員満足度を上げる事)をする
  • 人が育つ環境づくり(=教育の仕組み化)をする
  • 仕組みを回し続ける