コンビニなんて儲からないよ
どれだけ頑張っても利益が出ない!
なんて嘆く方の為に、少しでも収益を上げる方法をお教えします。
コンビニは、チャージが高いという印象が強すぎて、儲かるイメージがないと思っている方が多いと思います。
最初にはっきり言いますが、
今の状況で、事業者として加盟店が成功する道はただ一つです。
- 収益率を最大まで上げた店を複数店舗展開して、
- 人材を育成、輩出する仕組みを作り、地盤を活かした商売が出来る力をつける
- 地盤を活かして店舗拡大を続けるか、別事業を展開する
これのみです。
経営者は、事業という資産を持てるのがメリットです。資産は売却出来るに越したことはありません。ですが、FC加盟事業という形態は、事業のコアとなるものは本部が持っている為、売却は本部の許可がないと不可能です。そしてコンビニ事業の売却はほぼ100%無理でしょう。しかしメリットがないかというとそんな事はありません。自分で事業を営む決心をした以上、たどり着くかどうかは別として、事業者としての成功の道を自分なりに見据えておくべきです。
これを視野に入れつつ、まずは単店で少しでも収益を確保していくかをお教えします。
利益を確保するための思考法
コンビニは、24時間営業という形態、取り扱い商品やサービスの数の多さ、それを支える超高機能な管理システムのおかげで、オーナーがろくに勉強しなくてもお店は回っていきます。オーナーが知らない事なんて山ほどあるでしょう。アルバイトが始めての高校生~機械が苦手な高齢の方、読み書きが得意とは言えない外国人まで、ある程度仕事が出来てしまいます。
コンビニの管理システムはFCのシステムとして国内最高峰です。知ってますか?
- スタッフが使うものは多言語化されていて主要な国の言葉であれば即変換されます。指導だって動画、マニュアルを見ればどんな国のどんな方でも理解出来るように出来ています。それでもわからない事は本部のコールセンタースタッフが24時間いつでもすぐに教えてくれます。
- 発注も徹底した在庫管理システムとPOS、ポイントカードのビックデータに基づき、AIがお店の特性や天気も分析して、自動発注してくれます。そして発注が入ればどんな商品をどれだけ発注しても次の日は店舗に納品されます。
- 税理士がいなくても、会計管理はほとんど本部がやってくれます。労務士がいなくても、各種法律を知らなくても必要な事は本部がやってくれます。給料計算だって自動です。振込だってやってくれます。
他にもサポートしてくれる事をあげればキリがありません。
コンビニ加盟店の最大のメリットは、社会インフラ機能にまで登り詰めた強大な看板力と、日本全国を網羅する加盟店の情報を吸い上げて日々進化していく仕組みを使える事です。
この便利すぎる仕組みのおかげで、どんな複雑な商売でも簡単に出来てしまいます。
しかし、簡単に出来てしまう事が逆に良くありません。仕組みを理解せず、使われているだけではリスクしかありません。仕組みに甘えたままでいないように強く意識しましょう。
仕組みを使うか使われるかで結果は変わる
前提として、「コンビニの仕組み=収益を上げるための仕組み」です。この仕組みをきちんと理解して使えば、加盟店にも必ずメリットはあります。そしてもう一つ、本部と加盟店では、「収益」に関しての視点が異なります。
基本的に、
- 本部はお店の「荒利益」を最大限出す事が目的です。
- 加盟店は荒利益から廃棄ロスや人件費等の営業費を引いた「経常利益」を最大限出す事が目的です。
たとえ売上が上がっても営業費がもっと上がれば加盟店は赤字です。もちろん今は本部も加盟店の利益を度外視して荒利益だけを追求する事はありません。加盟店の収益を上げる為のサポート体制も整備されています。
ですが、例え加盟店の収益が赤字になっても本部は保証はしてくれません。本部が保証してくれるのは荒利益だけです。ここを強く意識しておきましょう。
FCの原則は、本部と加盟店が共に利益を享受し、繁栄する事ですから、本部が作り上げた仕組みであっても加盟店には十分すぎるほどメリットはあります。その見返りが、チャージです。
コンビニのチャージは大変高額です。逆に良えば、高額なチャージ料に見合ったシステムが利用出来ると捉えましょう。「高いチャージを払っているのだから、使えるものはなんでも使おう」くらいに思う事が大切です。
自店の「収益」を上げる為に、仕組みの隅々まで理解する努力をし、使えるものは何でも使いましょう。
営業費の無駄を徹底的に排除する
コンビニは取り扱う商品・サービスが多い為、大変複雑な収益構造になっています。そしてそれに掛かる営業費も内訳は膨大です。まずここをきちんと把握する事が大切です。
コンビニ営業費の内訳はざっくりで
- 人件費
- 廃棄
- 棚卸ロス
- 現金過不足
- 消耗品代
- 光熱費
- システム利用料
- その他経費
があります。実際はもっと細かいですが、まずは大きなものからコントロールしてきましょう。
人件費→これもコツがあります。参考にして貰えると嬉しいです。
廃棄
これは売上を上げる為の投資でもあります。適正な数字を意識するようにしましょう。ここを無理に抑えようとすると売上に影響します。売上が減っては意味がありません。
廃棄率(廃棄高÷売上高)を適正にします。
→実際には、カテゴリ毎で適正な廃棄率は本部やオーナーの考え方でまちまちです。実際に私が目標としている廃棄率を参考程度に載せます。
主食(おにぎりやお弁当など)→廃棄率10%
カウンターフーズ(揚げ物や中華まん)→廃棄率20~30%
〇
廃棄で最も気を揉むのは発注で最も力を入れる主食系と、利益率の高いカウンターフーズです。
無駄に廃棄を出し過ぎず、売上を上げられる適正な廃棄率はだいたい上記の数字になると思います。毎日の廃棄高をきちんと把握しておくのも大切ですが、売上高との比率をきちんと確認して、適正な廃棄率を維持できるようにしましょう。
棚卸ロスと現金過不足
棚卸ロスは0にしましょう。ここはオーナーの指導力がものをいいます。商品管理とスタッフ育成のクオリティの高さがロス額に反映されます。万引きもお店の姿勢である程度減らす事は可能です。
商品管理→商品と私物の混同をしない。徹底した管理がうち引きの被害の撲滅にも繋がります。
スタッフ育成→レジ操作ミスを0にする。最近は自動レジが普及しているので数え間違いはほぼありませんが、レジ登録と両替によるミスや不正はあります。繰り返しの徹底的な指導と両替のルール化をしましょう。指導は各チェーンのマニュアル通りにやる事を強くお勧めします。自己流でやる人が多い店ほどミスが起こります。
両替のポイント
- 両替のやり方のルール化と周知徹底
- 釣り銭や鍵の管理を複数人で管理・チェックする体制を作る
これでミスや不正は起きたとしてもすぐに対応が可能になります。大切なのは、オーナー以外の誰か一人に任せきりにさせない事です。管理の目を多くする事が大切です。
消耗品代
消耗品も節約です。なくてもいい消耗品は使わない。在庫は必要以上においておかない。売り物ではないため、安易に使う・捨てるスタッフが多いお店は要注意です。お箸ひとつ取ってもお店の経費です。お客様にケチるのはいただけませんが、スタッフが無駄にしないように物の大切さを周知徹底する必要があります。
よく、トイレットペーパー等を近くの安いホームセンターで買いに行っているお店があります。その方が安いからそうするのですが、この時は商品単価以外に買いに行く労力をきちんと計上しましょう。
- 買いに行く時間1回30分×月2回=1時間分の時給
この分の時間と時給も入れて、どちらが総合的に良いか判断するようにします。
私も一度全て計算した事があります。が買いに行く手間と時間を他に使った方が効率が良いという結果に落ち着きました。
消耗品の在庫量→これは少なければ少ない程良いです。「なくなったら困る」という心配はごもっともです。ですが、大量に貯蓄しておいた消耗品が、使う必要がなくなった時、ただのゴミになってしまいます。余計な備品は置かない。発注したら最後まで使い切るという意識徹底をスタッフも含めてする事が大切です。
光熱費
冷暖房、電気、水道など、家では気をつけるものもお店ではやらない人は大勢います。自宅と同じ意識をスタッフに持たせてあげましょう。我慢を強いるのはスタッフのモチベーション低下に繋がるのでお勧めしません。「無駄遣いしない」という気持ちが大切です。
システム利用料とその他経費
システム利用料は、何に毎月いくらかかっているのかをきちんと把握しておきましょう。調べるとけっこう出てきます。
その他経費も、求人代や清掃や用品の外部委託費等、気を使わないとけっこうかかってきます。流動費であればいいのですが、「固定費」として毎月かかるものは特に注意が必要です。固定費は100円でも10円でも少なくしましょう。
まとめ
コンビニの利益を少しでも増やすためには、営業費の徹底的な削減が有効です。「それだけ?」と思った人も多いでしょう。が、これを徹底してやり続けるのは大変です。言葉で一人ひとり丁寧に教えてもスタッフが入れ替わったらやり直しです。また、オーナー不在時や、複数店を展開して誰かに任せる必要が出てきた時の事を考えると、仕組み化をするのが最も効率的です。営業費を最適化する仕組みを整えましょう。
営業費が最適化されている、余計な固定費をかけていない状態をスタッフ含めた全員が維持出来ている状態のお店は、とても安定します。オーナーは余計な心配をせず、売上アップや事業拡大に専念出来ます。
そして出来上がった仕組みは、事業をする上で応用が利きます。オーナーの経験や知識となります。それはゆるぎない資産です。
知識と経験という資産を積み上げ、それを収益に結びつけていきましょう!