フランチャイズ

フランチャイズ加盟店の役割とは

フランチャイズビジネスは、起業をする3つの方法(ゼロイチ、事業継承、フランチャイズ)のうち、障壁やリスクが少ない方法です。コネも頭もない人でも割とすんなり加盟出来るところはあるし、法人設立なんてお金もなくても簡単に出来ます。

商売には「ヒト・モノ・カネ」が必要です。

私、ぺやんと申します。コンビニ経験を10年以上やってきた経験からFCビジネスやコンビニ経営の経験を発信しています。

今回は商売の大原則である「ヒト・モノ・カネ」をコンビニに特化した経験を交えて発信します。

今は横文字使うんでしょうか。今時の言い回しは全く分かりませんので、古臭いのはご勘弁下さい。ちなみに私は30代です。

ヒト

最初は基本的には自分が誰よりも一番働きましょう。最初から人に働かせて自分は入らないという選択肢はありません。加盟する事業の分野において自分が人に教えられるレベルになるくらいでないと誰もついてきませんし、信用もされません。簡単に起業出来るとはいえ、起業は起業です。楽して稼げる方法なんてこの世にはないと思っていたほうが賢明です。

※コンビニは、店舗が建つまでに数千万~億のお金が動きます。ですが、その費用を本部が出してくれる契約がある為、初期費用は数百万で済みます。参入障壁が低い為、色々な方がオーナーになります。バイト上がりの人から、誰でも知っているような大手企業から定年間近で脱サラした人、ガソリンスタンドやクリーニング屋さんと一緒に併設する割と大きい法人もオーナーだったりします。参入障壁が低いという事は、誰でも出来るという事で、簡単に考えている人も少なくありません。「オーナー」という言葉の響きを、どこか不労所得と結び付けている人もいて、最初から自分はレジに立つ事もなく成立させちょうとするのですが、そのようなオーナーは必ず失敗します。

モノ

FC加盟出来ればモノは手に入りますね。これも本部と加盟店が一緒に良くしていくタイプや、強力な本部が一方的に提供するタイプなど、加盟するFCによって様々です。ここで本部に頼っていてばかりは良くありません。より良いサービスを提供する為にも、加盟店からは意見を上げたほうが良いです。コンビニのような強力な本部でも、商品開発やサービスの開発等で、いわゆる「改悪」と呼ばれる事をけっこうします。本部もより良いサービスを提供したいんでしょうが、その力が間違った方向にいってしまう事があるんですね。これを良い方向へ持っていけるのも現場で動いている加盟店の役割といえます。

※見た目を良く見せたい気持ちが行き過ぎて、弁当容器の底を上げてボリュームが多いように見せたり、本格的な味を追い求めた結果、値段は上がり量は減って、見た目だけ本格的なおいしくないパスタを出してみたりと本部も悪戦苦闘しているようです。いくら東証一部上場企業とはいえ、私たちと同じ人間が開発をしています。常に優秀な人ばかりではありません。悪い事は悪いと本部に直接言う事はとても大切です。私もかなり言っています。「こんな商品が欲しい」や、「競合にはあるのにうちにはないんだけど」とか、「この業務効率悪いからこうしたほうがいい」など、言うとけっこう対応してくれます。

カネ

FC加盟は、資金は割高になると思います。本部の構築したシステムを借りるので、加盟するのに資金を払う必要があります。資金を借りるのはそんなに難しい事ではありません。何もないところからする場合では、まず0「日本政策金融公庫」がいいでしょう。その人の貯金や、経済情勢などにもよりますが、キャリアも何もなくても1000万くらいまでは貸してくれます。貯金ゼロだったり、日本政策金融公庫の予算の状況や、借りる人が多い時期があったりすると上下します。国の機嫌次第にもなってしまいますが、とりあえず話は聞きに行きましょう。私は日本政策金融公庫で検討はした事はありますが、実際に融資を受けるまでいった事はありません。また、メガバンクよりも地方銀行や信用金庫の方が優しい事が多いです。当社も最初は近所の信用金庫に話をしに行きました。今でもずっと取引させて頂いております。銀行に頼らない方法もいくらでもあります。自分の親戚、知人友人を見てみると割とお金持ちはいたりします。銀行に行くよりお金持ちの親戚に借りたほうが難易度は低いでしょう。クラウドファンディングも活発ですね。FCだからといって使ってはいけない事はありません。ちなみにコンビニはクラウドファンディングは止められます。やれたとしてもコンビニにお金出してくれる人はいないでしょうが・・・

※当社は、開業は父親がしているので私は初期から経営に携わってはいません。最初の資金は父親が退職してその退職金で開業しているので、融資は受けなくても済んでいます。2店舗目を開業するタイミングで私も会社員を辞めて経営に参加しました。1店舗目が低日販店で、息子の私から見ていても7~8年はかなり苦しかったようですが、2店舗目で高日販の直営店をもらえたので、そこからしばらくは高収益が続き、自己資金内で店舗拡大をする事が出来ました。そこからは信用金庫とお付き合いをさせてもらっています。仲良くなれば従業員への給与振り込みの手数料や両替の手数料を無料にしてくれたりと、大盤振る舞いをしてくれたりします。手数料はバカにならないので、本当に助かっています。

加盟店の役割とは

加盟店の役割とは、「地盤を活かした雇用発掘と経営管理」です。もっと言えば、本部が加盟店に期待する役割は人材の確保と育成です。優秀な人材を途切れさせる事なく育成出来るシステムを構築している加盟店はどんな苦境に陥ろうとも負けません。そしてこれが最も難しいです。

私もこれまで随分苦労しました。

開店から何年もいた従業員に、私が1週間程海外に出ている時に多額のお金を盗まれたり(やり方がお粗末だったのですぐに分かって全額返金してもらいました)

全部で8人しかいない店舗従業員のうち5人が共謀して一斉に辞めたり

引退したオーナーのお店を引き継ぐのを数回経験しているのですが、これも本当に大変です。漫画の中の世界の話かと思うでしょうが、引継いだ2日目に、当時の店長が出勤するとユニフォームが刃物でビリビリに破かれていたり、当時情報を共有するノートがあったのですが、それも八つ裂きにされていました。その後一斉に辞めていきました。当時の店長は女性でした。そのショックは計り知れません。その子はその後も心折れる事なくきちんと責務を全うしてくれ、現在は主婦として幸せな生活を送ってくれています。店舗引継ぎは、かなり綿密な根回しをしないと既存の従業員は基本的に引継ぎ先のオーナーや関係者を敵視してきます。そのプレッシャーを受ける社員の盾になる事や、フォローも必須です。

FCでないなら、こういったトラブルと直面しながら、商品開発、販促、マーケティングもやらなければいけないのです。当時は経験も余裕も一切ありません。頭も度胸も自信もなかった私は絶対に潰れていたでしょう。

最初からビジネスを立ち上げようとすると、やるべき事は際限なく出てきます。その一つでもサボるとすぐに立ち行かなくなります。どんなに大きな会社でも、その歴史を辿ると必ず倒産寸前まで追い込まれています。FCは、すでにモデル事業があり、実験が終わっているのでリスクマネジメントの観点からはとても安心です。大きく儲ける事は出来ませんが、FCを起点に自分の会社を大きくし、経営手腕を磨いていけばゼロイチで新たなビジネスを立ち上げる事が出来るかもしれません。収益が出れば個人の所得ではなく事業所得に出来るので、かかる税金も大きく変わってきます。お手軽起業法としては、経営運営の基礎知識を学んだり経験を積むのにはリスクも少なく、本部の指導も受ける事出来るので、私のような凡人にはとてもいい経験をさせてもらっていると思っています。

今回のまとめ

  • 商売の3つの原則は「ヒト・モノ・カネ」
  • FC加盟店の役割は「ヒト」の管理が最重要
  • 良い人材を育て続けられる加盟店が一番強い
  • 指導を受けながら経営出来るFCビジネスは起業の経験を積むのに手軽な方法