コンビニの店長の仕事ってなんでしょうか。いつも行くコンビニの店長疲れた顔してるなー。なんて思う方もいるでしょう。そんなコンビニ店長の仕事と考え方についてお教えします。
最初に一番重要な事を言いますが、店長の仕事で最も大切な事は、「みんなを導くこと」です。
店長とオーナーの違い
店長にも2種類います。
- オーナー兼店長
- オーナーに雇われた店長
オーナーは給料はありません。自分がどれだけ残業しようが、赤字なら収入はゼロ(赤字なら逆に払わないといけません)。
雇われ店長は給料制です。残業すれば残業代、夜勤すれば深夜手当、休日出勤すれば休出手当が出ます。金額は契約によって違いますが、基本的に労働時間の分だけきっちり貰えます。成果を出せば上がっていく事もあるかもしれません。
この両者の違いは、「最終責任の有無」によって決まります。
オーナーは、責任者という立場から逃げる事が出来ません。
雇われ店長は、「責任とって辞めます」と言えます。
これが決定的な違いでしょう。
抱えるリスクが違う為、リターンも違うという事ですね。
店長の仕事
では、そんなコンビニ店長の実際の仕事を見ていきましょう。当社での基準でお話をします。
店長の仕事とは、
「お店を効率良く、高回転させること」
です。
何言ってるかわからないですね。解説します。
コンビニの仕事で思いつく事と言えばレジ・品出し・発注・掃除などでしょうか。当社ではこういった日々の営業に必要なオペレーションで店長がやらなければいけない仕事というのはありません。やりたい人で出来る人がやればいいし、やれる仕事が多ければそれは「時給」や「手当」として評価しています。
例えば、お客様から「お叱り」を受ける際も、必ずしも店長が対応しなければいけないというワケではありません。お客様に納得して頂けるのが、店長にしか出来なければ店長が対応しますが、なんでもかんでも店長が出ていると、他の従業員の責任感が育ちません。結果的にお客様にまたご迷惑をお掛けする事になるので、アルバイトだって最後まで対応します。
店長がやらなければいけない仕事とは、お店をうまく回す事です。
取り扱う商品やサービスも多く、24時間営業という形態上、店長一人が頑張ったところでお店は全く回りません。全員で協力しないといけないんですが、その為には「環境づくり」が必要です。
その「環境づくり」というのが店長の仕事です。
- アルバイト全員が笑顔で仕事を出来る環境
- お客様が気持ちよく買い物ができる「接客・品揃え・キレイ」が整った環境
この2つの環境を整えるというのはけっこう大変です。
店長業務の考え方
環境づくりをする上でのポイントは4つです。
- 自分(店長)が1週間お店を休んでもお店のレベルが下がらない
- 誰が入れ替わってもお店が円滑に回るシステムづくりが出来ている
- 従業員全員が仲が良く、笑顔で働いてくれている
- 従業員一人一人の、仕事をする理由と抱える生活環境を把握している
この4つのポイントを意識してみると、店長がやるべき事に芯が通ります。方向性がずれる事がありません。
一つ一つのポイントの詳しい解説はながーくなるのでまた別で書きます。
向いている人と向いていない人
- 向いている人…これは、仕事を上手にシェア出来る人です。自分一人が動きまわるのではなくて、常に周りに上手に動いてもらえるかを考えられる人です。そして時には一番動いてみせて、みんなの士気を上げます。
スラムダンクでいえば流川ではなく仙道です。知らない人すいません。 - 向いていない人…逆に、なんでも自分で動いてしまう、周囲に頼めない(頼まない)、手柄を全部自分のものにしようとする人は向いていません。
ようするに、頭がいいとか、接客が得意とか、そういうのは問題ではないんですね。大切なのは考え方です。考え方がきちんとしていればスキルは勝手についてきます。
店長の仕事の先にあるもの
なんとなくは分かってもらえたと思います。
店長は大変なんです。どんな職業でも管理職というのは大変です。ストレスも抱えている人も多いでしょう。
オーナーとやってる事は変わりません。仕事に見合った給料もらってない!なんて思っている人もいるでしょう。店長なんて絶対やりたくないと思う人も多いと思います。給料に見合わないかもしれないけど、それでもその先にあるものを見据えれば、やる意義はあります。
店長の仕事は、「経営者」になる為のステップアップなんです。
- 「自分がどれだけ働いて成果を出すか」が会社員
- 「自分以外の人にどれだけ成果を出させるか」が経営者
です。
この事を意識しているかどうかで、将来の自分が大きく変わります。
性格も年齢も性別も国籍も違う人たちをまとめて、上手に動いてもらうのは本当に大変です。でも、これが上手に出来るようになれば、自分が出せる何倍もの成果を生み出す事が出来るようになります。
どうせやるならその先を見据えてやりましょう。私も最初は大変でした。様々な人から相談を持ち掛けられ、ストレスを抱える事も多かったです。ときにはそのストレスを、従業員に感情的にぶつけてしまう事もありました(暴力ではありませんよ)。今でも思い返すと恥ずかしいです。
店長である自分の気持ちを汲んでくれないと嘆くことも多いでしょう。でも、人間というのは基本的に自分勝手な生き物なのです。でも、一緒に働いてくれるのは結局人間だし、自分自身だって同じ人間ですから、自分勝手なんです。少しずつその事を受け入れて、自分勝手である人間に思いやりをもって誠実に対応できるようになると、徐々にお店の環境は明るくなり、ストレスは解消されていきます。
今回は店長の仕事について書きました。実際現場にいると、細かい雑務も多くて大変ですが、考え方を理解して、将来を見据えて取り組んでいく事が大切です。それが身につけば、どんな職種だろうがオーナー経営者になる事は可能になってきます。
目指せオーナー経営者!
まとめ
- 店長とオーナーは、背負うリスクが違うため収入も違う
- 店長もオーナーもやっている仕事は変わらない
- 店長の仕事は、「お店を上手に回すこと」であり、その環境をつくること
- 店長は、自分の仕事のスキルよりも、「人に上手に頼めるか」や「システムづくり」のスキルが重要
- 店長業務は大変でストレスフルかもしれないけど、経営者になるためのステップアップ